『それらのエトセトラ』セルフライナーノーツ

先日久しぶりに配信したEP『それらのエトセトラ』

色んな方が聴いてくださっているようでとても嬉しいです^^

どうもありがとうございます✨

せっかくなので、それぞれの曲のセルフライナーノーツ的なものを

書いておこうと思います。

『私と重機の関係』

ずっと一緒に暮らしていた祖父に思いを馳せて書いた曲です。

祖父は生前、建設業をしていたのもあって代々木第二体育館横浜アリーナなど

日本のあらゆる場所を周っては地図に残るお仕事をしていた人でした。

その影響もあってか私は昔から重機がすごく好きで。

また歌詞にあるように本当に祖父が大きな1枚の地図を残してくれて。

祖父が他界した後にその地図に書かれていた場所たちが

自分の思い出やこれからの行く先と色々リンクしていることを知って

すごく感動したものです。

なんだか本当に自分の未来をナビゲートしてくれているような

そんな希望をすごく感じました。

ちなみに祖父も音楽好きで、晩年は趣味でずっと横笛を作っていて。

この横笛、かなり吹くのが難しくてなかなか音が出せない楽器なんですが

どうしてもこの曲に忍ばせたくて、実はCメロの後の間奏で少し吹いていたりします。

 

『優しい時間』

昔聴いていた曲がふと流れてきた瞬間、誰かのことを思い出す時ってありますよね。

音楽はまさしくそうだし、香りとか、その時によく似た天候、季節とか

そういうものって忘れていた自分の色んな感覚を一気にフラッシュバックさせる。

この曲はまさにそんな自分の心境とその当時の思い出を綴った曲です。

昔すごく好きだった人がいて。

もう随分昔のことだから記憶もぼんやりなんだけど

でも当時その人と一緒に聴いていた曲を聴くと

眠っていた色んな思い出が蘇ってくるようで。

だけど今はもう何もかもが違うのだけど。

それでもこんな風に、思い出しては優しい気持ちになれる時間があるって

すごく幸せなことだなって。そんなことを、ふと思ったのでした。

 

『all around』

この曲は昨年の10月に書いた曲で。

コロナ禍の中で自分が音楽で出来ることって何だろう、、

どんなに小さなことだったとしても自分にも何かが出来るかもしれないって

必死に考えてはそれでも悩んで、もがいて、だけど何かを届けたくて、、

そんな風に過ごしているときに出来た曲でした。

昨年はあまりに色々と悲しいニュースが続いて

私も大好きなミュージシャンが亡くなってしまって本当に心が潰れそうなくらい苦しかった。

この歌詞はその人に向けて書いた曲ではなかったけど

歌詞が完成した数日後にそのミュージシャンが亡くなったニュースを知ることになって。

だからどうしても彼女たちに向けて歌っているような気持ちが自分の中でも自然と芽生えて

その人のことを思わずにはいられなかったです。

うまく言えないけれど、、ただただ悲しみを癒す気持ちと祈るような気持ちで

この曲をレコーディングしたのを今でも覚えています。

歌詞には書いていないんだけど1番のサビの最後に「lady?」と歌っていて。

これは急遽歌を録る直前に入れたもので。その彼女に向けて問いかけているんです。

本当のことはその人にしか分からないけれど、、でもやっぱり音楽は最高に楽しいもので、

どんなに途中、突然の雨や嵐がやって来ても、すべては捉え方次第だって

きっとあなたも知っていたよねって、、

そうやってきっと色んなことを乗り越えてきたんだよねって、、そんなことを伝えたくて。

今もやっぱり悲しみはそんな簡単には癒ないけれど

だけどやっぱり私は音楽が好きだから。まだまだ繋いでいきたい。

そしてこれからも歌いたい曲や書きたい曲も、紡ぎたい言葉も

まだまだ本当に沢山あるから。だからそれをこの人生の中でどれだけ残していけるか

待ってくれている人たちの元に届けていけるか、そこに向き合いながら

今ある思いを大切にし続けていきたいってそう思っています。

 

『Brand New Vision

 私はここ数年の中で、今も含めて色んな大きな転機を何度か迎えている気がして。

それこそ言葉で表現するのは難しいけれど、なんだかこれまでとは違うような

どこかワクワクするような、そういう新しい世界が自分のすぐそばにあるような気がして。

それは転機が運んでくれたものでもあるのかもだけど、でも本当は自分が気付いてないだけで

いつだって見える視点を変えるきっかけは自分の中にもちゃんとあるんだなって

そんなことを気付いたときに書いた曲になります。

何か特別なことがなくても、ちょっとラッキーって思える出来事が1つあるだけで

心が弾んだり、誰かに優しくしたいって思うときがある。

そういう些細なことほど見逃さずにいたいし、そういうことの中にこそ

もしかしたら大切なことやその本質が詰まっているのかなって。

そういうものが私は曲を書くときの原動力になっているので

この曲は自分の中でも1つの転機となってくれたそんな曲な気がしています。

 

『ファンファーレ』

もう令和になってしばらく経つけれど、平成最後に作った曲がこの曲でした。

普段曲を作るとき、私はCASIOのキーボードを愛用していて(通称カシオくん)

せっかく時代の節目となるときに作る曲ならば

自分の中でも成長の爪痕を少しでも残したいとかって思って

カシオくん1台で作ってみた思い出深い曲でもあります。

実は『Brand New Vision』と『love letter』もそうなんですが

この曲は特にカシオくんにしか出せない音色をこれでもかってほどに集めた

自分の中でも1つの集大成みたいな作品になりました。

日々色んな出会いや別れがある中で、なぜだか離れても忘れても繋がる人がいて。

ほんと摩訶不思議すぎて驚くことにも慣れるほど、それだけ縁のある人っているんだなって

そういう人になかなか出会えるのもそうあることじゃないことに気付いて。

そう思ったらこの出会えたことも、もしかしたら奇跡みたいなことなのかもしれないって

だからそう思わせてくれるその人にありがとうって

これからもこの世界であなたもどうか音を鳴らしていてねってそう伝えたくて曲にしました。

 

『love letter』

この曲は昨年、そして令和になって最初に書いた曲。

私は元々音楽を独学で始めて今に至るので、理論など途中で勉強することもあったけれど

なかなかそれを生かしての曲作りというのが苦手で。

むしろ例え理論上はおかしくても、自分の思ったまま感じたまま自由に

頭にフーッと流れてきたメロディに楽器でコードを付けて

それを曲にしていくという方法が自分には一番合っている気がして。

何よりその工程がすごく楽しくて。

でもときに、その方法で作るが故、歌のメロディがすごく難しくなってしまったり

歌詞も楽器の音数も多すぎて耳が疲れてしまうトラップにハマることもあるのだけど。

この曲はそういうものもすべて一度自分の中で取っ払って

初心に返るような気持ちで作りました。

出てきたメロディと言葉をそのまま自然に合わせることを忠実に作った曲でもあります。

大切な人になかなか面と向かって言えない思いこそ

手紙や文章に私は託すときがあります。

それを曲として残せるのなら、やっぱりこんな歌を届けたいなぁって

そう思いながら、色んなこれからの奇跡を信じながら書き綴った密かなラブレターです。