こぼれる前の周波数 -後編-

先日始めたこのブログ。

見てくださった方ありがとうございます。

まずはプロフィールをと思ったのに、まさかの前編と後編だなんて!

けど今までアラーライのこと、ここまで詳しく話す機会もなかったので

せっかくだから最初にイロイロ書いておこうと思います。

ちょっと長いですが、よければお付き合いください。

 

いざ、プロフィール後編へ!

 

楽しいだけではなくなる音楽活動

思えばアラーライは、最初のコピーバンドの時からいっつも固定のメンバーっていう期間がほとんどなくて。ボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムの5人編成にずっと憧れてたのもあって、なんとかそれを形にすべく探すんだけど、見つかったとしても長くて半年から1年くらいだったのかなぁという感じで。

特にいつもいなかったキーボードとドラムを、ライブやレコーディングのたびに探して、誰かに手伝ってもらいながらなんとか活動してるという感じでした。

曲作りが楽しくなる一方で、でも楽しいなって思うその気持ちだけでは活動を続けられなくなるっていう。特にこのメンバーやサポートのことでいつも悩んでましたね(笑)。

ライブを見に来てくれた人もそうだったと思うけど、私自身も同じメンバーで1つの曲をあたためていくことや、また次はこのメンバーでこんな新しい曲を作ってみよう!みたいな、そういう経験がほぼないので単純に寂しかったし、やっぱり経験してみたかったなってちょっと今でも思います。そんなこともあって、当時はもっと歌も楽器も練習しなきゃいけない、そして曲作りももっと磨きをかけなくちゃいけないっていう傍らで、常に活動を止めないようにするための働きかけもしなくては!という状態だったので、ほんといつも頭の中がぐちゃぐちゃだったし、ただただ余裕のない日々だったなぁと思います。

 

アラーライがバンドでなくなるとき

もはや今振り返っても、バンドだったのかと言い難いんですけど、、

でもそれらしき経験を過ごした中で、途中からあることに気付くんです。それは、このアラーライでの活動が、バンドというよりも、もはや私のワンマン的な考えのもといつも動いていたっていうことに。それは途中途中、メンバーやサポートの人からも言われていたことで、それが良いとか悪いとかでもなく。

ただ冷静に考えてみた時に、確かに普通バンドってメンバーそれぞれが意見を出し合って、時には最初作っていたメロディーもガラッと変わることもあったり、とにかくみんなで1つの曲を作っていくんですよね、きっと。

でもアラーライはそうではなくて。結構一緒にやってくれるメンバーが基本、みんなあまり自分から意見を言うタイプじゃなかったっていうのも相まってか、自分が作った曲やアレンジがほぼ変わることもなければ、ギターや鍵盤のフレーズも、ドラムのリズムの雰囲気とかも自分の頭の描いたものを基本みんなに演奏してもらうっていうやり方でやっていて。しかも、今より全然音楽の知識も浅くて、楽器を演奏することもできなかったから、すごい抽象的にしか伝えられなくて(笑)。

だから今考えると、ほんと当時のみんなごめんねって思うし、ある意味恐ろしいことしてたなって思います(笑)。プレイヤーからしたら「そこのフレーズは俺が考えたいんだよ!」とか、「もはや俺が演奏する意味なんてないんじゃない?」(個性が出せないって意味で) みたいなことも何度か言われたこともありました。振り返ればほんとその通りだなと思う!

だからそういう時間を繰り返していく中で、ようやく「アラーライはバンドじゃなくて、私が作りたい音楽を鳴らす場所なんだ」ってそう気付き、自分でも認めるんです。

 

新しい音楽と人との出会い

そんなことを思いながらも、特に「じゃあ今日から私一人で活動していくわ!」とはならず。形態としては今までとあまり変わらず、一緒に活動してくれてたメンバーと、新たにサポートメンバーを迎えて2012年くらいからまたちょこちょことライブ活動をしていきます。

振り返ると、自分にとってこの2012年から2013年という年はすごく大きな変わり目の年で。この当時対バンさせてもらったバンドやアーティスト、またお世話になった方々、そしてそこで出会った音楽が今の自分の背中を押し続けてくれてるような、なんだか言葉ではうまく言えないけど、とにかく音楽を続ける上ですごく大切なものを教えてくれた年でもありました。

アラーライはライブ活動をそんな頻繁にしてたわけじゃないけど、そんな数少ないライブの中で、当時ちょうど対バンさせてもらったバンドやアーティストが、その後だいたいみんなメジャーデビューして今なお活躍しているっていう人達も多くて。でもそれを知るたびに、もはや焦るというよりも「あぁやっぱりな!」ってすごく納得してしまうくらい、当時からそのバンドやアーティスト達はやっぱり何か他とは違うものがあって。だからそんな人達が作り奏でる音楽は、さらに聴く人を魅了するような、すごいパワーを放ってたんですよね、どのアーティストも。

 

アラーライに足りないもの = それは自分にも足りないもの

当時の自分にはまだその違うものっていうのが、何なのか分かっていなくて。とにかく出会うアーティスト、出会うアーティスト、みんっなライブをしている姿が楽しそうで。だから自分も観ていてすごく楽しかったし、それでいてどのアーティストもみんな歌や演奏が上手いのはもちろん、ジャンルは違えどそれぞれ放つ曲に個性や色がしっかりあって、つい聴き込んでしまうほどかっこよかった。

でもその当時の自分といったら、そのアーティスト達とは真逆の位置にいるようで。常に心に余裕がなくて、音楽を続けるために考えてきたことも、頑張ってきたことも何だか全て空回りしていく一方で、、だからいつしか、歌うことや曲を作ることも、今ある目の前をことを楽しむっていうことさえも気付いたら出来なくなっていて。

苦労と言えるほど大それたものじゃないけど、でもすごくすごく苦しかったのだけは今でも覚えてます。もがいてももがいても先に進めなくて。「だからこのままじゃダメだ」って何度も自問自答したし、「もっとアラーライもこれだ!」っていうしっかりした核を作りたいってそう思いました。

だから一旦ライブも音源制作もやめて、その後充電期間に入ることを決めました。今思うと、ある意味ただの逃げだよなとも思うし、同時にその時もっとしがみついてでも頑張ってたら、もしかしたら今頃アラーライも今とは違う状況だったのかなとも考えることもあります。でもそれはそれであって。むしろどうやら、その後に過ごす充電期間がさらに自分にとって、そしてアラーライにとってすごく必要な時間だったと今はそう気付くんです。

 

音楽以外のことこそ大事

それは当たり前と言えば、当たり前なんですけど。何をするにも人は決して自分一人では生きていなくて。そんなことを改めて思い知ることになったのが、2014年〜2016年に訪れた時間で。いつだって振り返ると、それはどの時間も全部繋がっているしだから今の自分がいるのだけど、ここでの時間は一見音楽と関係ないようで、自分にとって実はとっても深いところで繋がっていました。

それは今まで自分が大事にしているようで、できていなかった家族との時間でした。自分は幼い頃に両親が離婚していて、少し複雑な家庭ではあったけれど、それでもすごくいつも沢山の人から愛情をもらって育てられました。だから決して不幸なんかではないし、むしろすごく恵まれていたし、今でもそう思ってます。

ただそれでもなんだか、急に得体の知れない寂しさや不安が襲ってくることがあって。もしくは昔のキズを思い出してしまったり、、それがときたま未だにあるので、いい歳してほんと情けないなぁと自分でも重々思うんですが、それがどうも自分でも対処できないときもやっぱりあって、、(苦笑) 誰が悪いわけでも何が悪いわけでもないってことは大人になった今、改めてよく分かるんですけど。だけどそれでも、いやそれとはまた別のところで、どうしても埋められないものがずっと心の中にあって。だからか、一番身近にいるはずの家族にすらなかなか自分の気持ちに色んな意味で素直になれなくて。どこかで家族が遠いような気もしたときもありました。

なんかちょっと暗い話になっちゃいましたが(笑)、まぁそんなこともあってか気づいたら家族と少し疎遠気味になってしまってたんですよね。だからほんと一昨年くらいまでは自分がアラーライとして活動してることも話したことなかったんです。でも、ちょうどその時期に充電期間に入って、一旦アラーライとしてのフィルターを外して自分を見つめ直す時間がすごくできるようになって。思えばその時からすごく身の回りの状況が一変し始めた気がします。今までどこか停滞していたことも、不安に思っていたことも少しずつ明るい方向に動き出して。自分とひたすら向き合っていく中で、ほんと些細なことでも家族とちゃんと向き合いたいって思うようになっていたし、そんな最中大切な家族や身内が続けて亡くなってしまうんですが、何より今自分の目の前にいてくれる家族との時間を、もっと沢山過ごしたいって、大切にしたいってそう心から思うようになりました。小さなことでも自分にできることって何があるかなって必死に探したし、またそれに対していつも家族は向き合って応えてくれて。だからそれがすごく嬉しかったし、改めてこの家族に生まれてきて良かったって感謝しました。

そんなことを感じながら毎日を過ごす中で、今こうして自分がいることも、何かを思ったり、笑ったり、泣いたり、何より今日っていう今がちゃんと迎えられることも、決して当たり前なんかじゃないんだってそう思い知らされたんです。そう思ったら、なんだかいてもたってもいられなくなって、すごく曲を作りたい、今感じた気持ちをちゃんと残しておきたいって思ったんです。

この時期に、誰かのライブに行くってことはほぼなかったんですけど、代わりに音楽以外で、舞台を色々観に行ったり、映画や個展、美術館巡りをしてみたり、そして普段は行けないような場所に一人旅をしに行ったり。時間としてはそこまで長い期間ではなかったかもだけど、すごくどれも鮮やかで、忘れることのできない時間となりました。

 

再び動き出した周波数

そんな充電期間を経て、2017年3月に、10曲入りの自主制作アルバム『こぼれる周波数』を作りました。それと同時に、アラーライも再スタートという形で!!

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それから一年くらいは、ライブとか特に表立った活動はしてないんですけど、この数年離れてしまっていた時間を取り戻すかのように、まずは色んなアーティストのライブに行くようになって。そこでまた新しい出会いだったり、再会だったりっていうのを少しずつ繰り返していきながら「どうやったらもっとアラーライを前に出していけるかな」っていうのをいつも考えていて。せっかくアルバムも作ったし、きっとそれを真っ先に広めるべきなんだけど、でもそれが去年はまだできていなくて。でも昔だったらそこでまたフェードアウトしてしまうのかもだけど、今はちょっと違くて。

まだ去年の時点では特にこれっていう、何か目に見える出来事があったわけじゃないけど、あまり焦らなくなっていて。むしろ、なんだかすごく楽しくて。途中好きなアーティストのカバーを歌わせていただくこともあったり、またアルバムの曲以外でさらに新曲を作っていったり、、やっぱり私は音楽が大好きで、だから離れることなんてできないから、だからゆっくりでもこの歩みを止めないように、小さなことでもそこに繋がると信じて動き続けてみようって思ってました。

 

点と点がひとつの線になる

そして今年2018年、すごくすごく嬉しい出来事が2つありました。

 

まず、2月。

チャットモンチーの"トリビュートアルバム参加アーティストオーディション"へ応募した際、惜しくもCD収録とはなりませんでしたが、なんと!当初はなかったという特別賞「これが本当のLast Love Letterで賞」という、とても光栄な賞をいただきました!!!

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自分がアラーライの中で初めてオリジナル曲を作った、あれは2007年4月。渋谷アックスで、私はチャットモンチーの音楽と出会い、彼女達のライブを観たんです。あの広い会場にすっごい端の端までびっしりとお客さんがいて、実際自分もほんと入口ドアのすぐ側で観ていて。その時に観た1曲目が『恋愛スピリッツ』だったことも、まだ4月で外は肌寒かったというのに観ている自分も汗をかくくらい会場は熱気で溢れていたことも、今でもよく覚えています。

ちょうど同年代で、それでももう既に自分達の世界を確立されていて、その才能もセンスも自分なんかが言うまでもないくらい素晴らしくて、いつも新しくて。そしてそんな自分達の音楽という世界を心底楽しんでいる姿がいつも眩しかったし、私もアラーライとしてもっと自分の音楽を確立していきたいって、そう思う最初のきっかけをくれたバンドであり、アーティストでした。

だからこそ、こうしてそれから10年という時を経て、アラーライとして自分がチャットモンチーの皆さんに、そういった想いを音楽で伝えさせてもらえる機会をいただけたこと、そして特別賞という本当に光栄な賞をいただけたことがすごくすごく、嬉しかったです。アラーライをやめないで良かったって思う瞬間でもありました。

改めてこの場を借りて、本当に、本当にありがとうございました!!!

そしてこの動画を観てくださった方、いいねやコメントをくださった方もありがとうございます。

 

そして、8月。

こちらはつい先日ですが、昨年自主制作したアラーライの『オドル』という楽曲が、フリーゲーム『Witch's Heart -Bonus Stage-』のOPムービーのテーマ曲として使用していただけたのです!!!

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こんな風に何かのテーマソングとして、自分の曲を使っていただけるという経験は初めてで。しかもこの曲は充電期間を経た中で制作した楽曲だったっていうこともあり、この映像を観たときに思わず嬉しくて、感動してしまいました。。ゲームの世界はちょっと自分は疎いのですが、でもこの映像から伝わってくるこのゲームの世界観とそれぞれのキャクターの個性や表情、色だったり、きっと一人一人にそれぞれの物語があって、しかも世界中のたくさんのファンの方に愛されている作品の続編ということで。そんな素敵な作品のテーマ曲に、アラーライの曲を選んでいただけたということがすごく光栄ですし、本当にすごく感謝しています。

改めて、本当にこんな嬉しい機会をいただけてありがとうございました!!!

そして、『オドル』の動画も聴いてくださった方や、いいねを押してくれた方もたくさんいてとても嬉しいです。ほんと励みになります、、ありがとうございます。

また、この楽曲の歌詞についても、是非ともいろんな方に知っていただき曲をより楽しんでいただけたらと思うので、後日英詞に訳したものをこのブログでもアップしようと思います!

 

迫り来る次のステージ

こんな風に少しずつではあるけど、アラーライっていう名前を知ってくれる人がいて、そしてアラーライの曲を聴いてくれる人やそれを良いねと言ってくれる人がいること、それが本当に嬉しいし、もっと頑張ろう、もっと前に進もうって思うパワーになります。

アラーライは自分が止まってしまったらそこで終わりだから、常にそれと隣り合わせだけど、でも今、昔と違うのは、とにかく歌うことも、曲を作ることも、そしてまだ下手くそだけどギターや鍵盤を弾くこともすっごく楽しいんです!!だから音楽ができる時間がすごく幸せで。

そう思える今だから新曲も作っては、またいい感じのメロディーが出てきて、それでまた別の曲ができてってアイディアも止まりません!ちなみに、アラーライ今までは発信することも少なかったので、実は未発表曲だけでも50曲くらいあります(笑)。そんな中、今年も残り少ないですが、年末までの間に自分もギターをかき鳴らした新曲たちとアレンジしたカバーもYouTubeにてアップしようと思います!!

詳細はまた追って、そしてアップする曲ごとにこのブログにもそれにまつわる話を書いていこうと思うのでお楽しみに!

 

いやはや、、本当にびっくりするぐらい長くなってごめんなさい(笑)。

自分でもちょっと引きました\\\\٩( 'ω' )و ////

最後まで読んでいただいた方ありがとうございます。。

 

これはもはやブログじゃなくて、ある意味、永久保存版のバイオグラフィーですね。

それでは、また次回!