こぼれる前の周波数 -前編-
初めましてのごあいさつ
アラーライという空間で曲を作ったり、歌をうたっている三浦晃菜と申します。
今日からここにアラーライという空間について、あれこれ綴ってみたいと思います。
記念すべき第一回目の今回は、まずはアラーライの生い立ちを。
つい話すと話が長くなっちゃうタイプなので、前編と後編の2部構成で!
ちょっと憧れのインタビュー形式でお送りします。
そもそも、アラーライとは?またその名前の由来は?
三浦晃菜が自分の世界観を音楽で表現する場所=それがアラーライです。
意味は後付けなんですけど、アラーライってドイツ語で"あれもこれも"という意味らしくて。元々自分の好きな音楽のジャンルも色々あったり、音楽はもちろん、写真を撮ったりアートを作ってみたり、、とにかく何もない場所から何かを考えたり、もの作りや表現したりすることが昔から好きで。まさに"あれもこれも"やりたいと思う自分にぴったりのネーミングだなって思って。だからある意味、この名前で今音楽活動していることが運命だなぁって感じています。
活動はいつから?
はじまりは2006年8月です。日付は確か8月27日でちょっとうろ覚えなんですが、その日家に帰るとちょうど24時間テレビがやってて。その時ランナーをされていたアンガールズさんが、ちょうどゴールするっていう感動の瞬間で。その最後のフィナーレを観ながら「そうか、私、今日からバンド始めるんだ!」ってなんだか妙にひとり熱く、感慨深くなったのを覚えてます(笑)。
その当時はバンドだったの?
そうです、最初は椎名林檎さんや東京事変さんのコピーバンドをしていました。
自分はボーカル担当で。当時23歳でそれが自分にとって初めてのバンドを組むっていう経験で。だから多分かなり遅めのバンドデビューでしたね。
それで2007年に初ライブをするんですけど、その時に対バンしたバンドの人から「アラーライいい!絶対オリジナルもやったらかっこいい気がする!」なんて嬉しい言葉を言われて。ただでさえ人生初ライブでめちゃくちゃ緊張してたんですけど、そのバンドや会場にいたお客さんがすごく温かくて。だから歌ってて「ライブって楽しい!」ってそうすごく思ったし、それで嬉しくなっちゃって、すぐにオリジナル曲も作ってこうってなったんです。
アラーライにオリジナル曲ができるまで
でも思えばそこからが、今日に至るまですごく葛藤の連続だった気がします。。
っていうのも、まずその当時私は何も楽器が弾けなくて。それで最初リーダーでもあったギターの人が曲を作ってくれるんですけど、なんか自分の中でピンとこなくて。自分で作れないくせに「私が歌いたいのはちょっと違うんだよなぁ」とか生意気にも思ったりして(笑)。
それでそのとき、だったら自分が歌いたいって思う曲は自分で作ってみよう!と思って。楽器は弾けないけど、昔から頭の中で色んなメロディーや楽器の音が鳴っては曲っぽく流れるっていう、1つの現象があることに気付いて。だからそれを頼りに、まずはメロディーを鼻歌でうたって、家にあったCASIOのキーボード片手に、そのメロディーに合うコードを探していくって作業をひたすら繰り返して。それでついに初めてのオリジナル曲が完成しました。これが自分にとっても、そしてアラーライにとっても初めてのオリジナル曲になりました。
自分が曲を書いていく!
いざ完成したその曲は、メンバーからも「いいんじゃない!悪くないよ。」って感じでなかなかの好反応で。だからそれを聞いてホッとしたと同時に「よし、じゃあ他にも作ってみたいな」っていう気持ちがむくむくと芽生えて。だからこのときに、アラーライのオリジナル曲は自分が書いていこうって決めました。
アラーライの楽曲ルーツとは?
とにかく昔からJ-POPが大好きで。中学・高校時代は椎名林檎さんやaikoさん、あとポルノグラフィティさんや嵐さんとかほんとよく聴いていて。あとはR&BやHipHopも好きでローリン・ヒルとか、オルタナとかも結構好きでレディオヘッドも聴いていましたね。
だからそういったアーティストの影響をすごく受けて、頭の中でメロディーが生まれていた気がするし、今もこのアーティストたちの音楽は自分の曲づくりの根底にあると思ってます。
アラーライを始めてからは、チャットモンチーやthe band apart、フジファブリック、アルカラ、赤い公園とかのバンドの曲をすごく聴くようになって。あとはポストロックやアシッドジャズにもハマってtoeやジャミロクワイ、それからJAZZやプログレも聴き始めるみたいな感じで聴く音楽の幅がちょっとずつ広がっていきました。
曲を作っている瞬間に流れた心の周波数
ちなみに曲を作り始めるようになってからも、5年くらいはまだ全然楽器が弾けなくて(笑)。まぁ今もそこまで弾けないんですけど。当時はまだ自分が楽器を弾きながら歌うっていう概念がなくて、曲は自分が作るけどでも演奏はメンバーやサポートの人にお願いするっていう形で。
でも曲を作るたびその楽しさを知っていたから、自然と自分が聴く音楽も歌だけじゃなくて、曲の構成や、リズム隊の動きとか、ウワモノと呼ばれるギターや鍵盤の音色、ストリングスや管楽器の入る位置とか、そういう部分にもだんだん耳が興味を示すようになって。
だからいつしか曲を作ることが、歌うことと同じくらい好きになっていたし、自分の中で日々動く感情を声以外の音でアウトプットするっていうのがすごく面白いってことに気づいて。「ギターはここでこんなフレーズを弾いて、ここでこんな楽器がバーンって入ってきて」とか自分は演奏しないけど、それを考えるのがすっごい楽しくて。
メンバーからも自分でも楽器を弾いてみるといいよって何度か言われながら、ちょっとずつギターとかキーボードを練習して。そこで「そうだなぁ、じゃあこれからは自分でもそれを弾いてみよっかな!」っていう発想にようやく行き着くんです。
それで今のアラーライの形に?
そうですね、、確かにこのときくらいから今の原型が見え隠れしていたのかも。
ただ同時に自分がボーカルであるからこそ、歌ものの曲作りの難しさや、そもそもバンドとはなんぞや?とか、ライブや続けていくことの難しさ、いろんな葛藤のはじまりでもあったわけです(笑)。